11月

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うつで始まり幻覚妄想で双極性障害、統合失調症と誤診


うつで始まり幻覚妄想で双極性障害、統合失調症と誤診

私は職場のストレスで37歳のころうつ状態になり休みました。入院設備のある同じ県内の精神科病院に通院し、うつ病と診断されました。不眠が続いたり、自殺したいと思う気持ちが強くなったときは、入院し、ほとんど寝て過ごしました。パキシルという薬を処方されたとき、幻覚が起こり、神様と対話するという思いになりました。医師に相談すると、パキシルを別の薬に変えたところ、幻覚はなくなり、うつ状態だけになりました。その後、退院し、隣町の精神科クリニックに通院しながら、復職しました。復職後、体調のいい時期もあったのですが、小さなストレスがかかるたび、体調を崩し、自宅で休むことが何度かありました。

最寄りの心療内科クリニックに転院し、仕事を続けていましたが、40歳代後半になり、職場で強いストレスがかかり、激しい幻覚が起こり、自宅を飛び出して、徘徊するようになり、県立の精神科医療センターに緊急入院しました。3か月ほど入院治療し、幻覚が収まったので退院しました。

入院時の診断は、双極性障害、以前は躁うつ病と呼ばれていた病気です。地元のクリニックに再び通院し、治療を続けることになりました。幻覚は収まっていたものの、昼頃まで起きることができず、気分がすぐれない状態が続きました。そして、一番困ったのは4日に一回8時間ほど、激しい苦痛を伴った尿失禁が起こったことです。紙おむつをしても足りず、交換し、起きていることもままならない状況でした。外出のめどが全く立たない状況に、自宅で過ごす時間が一層長くなりました。主治医は入院時の双極性障害の診断に納得しておらず、統合失調症として治療を続けました。尿失禁については、リスペリドンという薬をある程度減らしたものの、統合失調症ではそれ以上は減らせないという判断でした。復職の期限が近付く中、隣町の大きな病院の精神科でセカンドオピニオンを希望したところ、双極性障害という判断でした。ところが、主治医は判断を変えず、同じ治療を続けました。復職に向けたリハビリ勤務が始まっても、うつ状態と、尿失禁は続き、51歳で退職することになりました。

自宅療養を続ける中、離れた場所に引っ越すことが決まり、尿失禁を何とかしたいと思い、精神科、泌尿器科と入院施設を併せ持つ病院を探し、転院しました。1時間ほどの診察の結果診断は双極性障害。尿失禁にはリスペリドンをやめることで効果を期待したいという方針になりました。1か月ほど通院で治療するうち、尿失禁がなくなり、うつ状態も良くなり、便秘も治りました。

双極性障害がうつ状態で始まった場合、うつ病と診断するのはやむを得ないことで、誤診とは言えないようです。一方、躁とうつを循環し、幻覚、妄想が出る場合、統合失調症という判断に固執するのは懸命でないと考えます。

今後、躁転、うつ転が起きないように薬でのコントロールをはじめ、徹夜やストレスを避けることなど、留意して過ごすことが大切だと考えています。

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